短期記憶と長期記憶

記憶には2種類あります。
短期記憶と長期記憶です。

その名の通り、短期記憶は一時的な記憶で、そのうち消えてしまいます。長期記憶は長い間忘れず残っている記憶です。

受験で勝つには、長期記憶を増やさなくてはなりません。


何かを覚えた時、その記憶はまず短期記憶の領域に送られます。

しばらくするとその記憶が脳の海馬という所に送られ、海馬がその記憶の重要性を判断します。
重要と判断されればその記憶は長期記憶の領域に送られますが、重要と判断されなければ捨てられてしまうのです。

本来、受験勉強で得た記憶は、海馬に言わせれば全然重要ではないものなのです。

なぜなら、人間が生きていく上で必要ではない、つまりその記憶が無くても生物学的に見れば生死に関わらないからです。


しかし我々にとってはそうもいきません。なんとか海馬にその記憶が重要であるとわかってもらう必要があります。

ではどうすればいいのか、それは、繰り返しです。

一度捨てられても、しつこく海馬に同じ記憶を送り続けるのです。
すると海馬は「こんなに何度も送られてくるのだからきっと必要な記憶なんだろう」と判断し、その記憶はめでたく長期記憶に送られるのです。

受験勉強において、忘れるとまた一から覚えなおしと考えがちですが、そういうわけでもなく、その忘れた記憶は海馬に一度送られているので、海馬にとっては重要度が上がっています。だから前よりも覚えやすくなっているのです。

受験勉強では、忘れては覚えてをしつこく繰り返し、海馬をうまく操れた人が勝ち残っていくのです。

ちなみに海馬とはタツノオトシゴのことです。形が似ているからそう名づけられたそうです。


忘却曲線

横軸に覚えてからの時間、縦軸に覚えている量をとって引いた曲線、「忘却曲線」というものがあります。

曲線であって直線ではありません。
つまり、ものを忘れるスピードは覚えた直後になるほど速いのです。

忘却曲線によると、何かを覚えた時(単純に丸暗記した場合)、多少個人差はあるものの、その後4時間以内にそのうち約半分を忘れ、1週間後には約70%が忘れ去られてしまいます。

しかしこの忘却曲線のカーブを緩やかに、つまり覚えたことを忘れにくくする方法があります。

それはやはり繰り返しです。受験勉強で言うところの復習ですね。

このように、脳は物事をどんどん忘れていくようにできているので、受験勉強において復習は非常に重要な作業なのです。

効率的な復習

復習が重要なのは周知の事実ですが、復習ばかりしていると受験勉強が先に進まないのもまた事実です。
よって、できるだけ時間をかけず、効率的に復習をしていく必要があります。

ここで重要になってくるのが、復習のタイミングです。
東京大学薬学部の池谷裕二先生によると、海馬の性質を考え、最も効率的な復習のタイミングは、

学習した翌日に一回目
その一週間後に二回目
二回目の復習から二週間後に三回目
三回目の復習から一ヵ月後に四回目

だそうです。逆にこれ以上は繰り返す必要はありません。

ちなみに復習は回数が増えるほど楽になっていきます。
なぜなら、一度記憶したことのある情報は、忘れたようでも思い出せないだけで実は脳のどこか(潜在意識)に残っているので、前よりもスッと頭に入ってくるのです。

ですから初めて覚えるほど苦痛ではないので、スピードを上げて効率よく覚えなおしていきましょう。

寝る子は育つ

特に昔は、睡眠時間を削って勉強をするというのが受験生のライフスタイルと認識されていましたが、これは間違いです。

一日で覚えた記憶は、寝ている間に整理されるからです。

睡眠時間が短いと、それだけ整理時間が減ってしまい、効率が大きく下がってしまいます。切羽詰っていても、最低限の睡眠時間(5,6時間〜)は確保するようにしましょう。

なお、睡眠には2種類あります。
レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)です。

レム睡眠とノンレム睡眠は寝ている間交互に繰り返されており、その周期は人により差はありますが、大体1時間半ごとに交代します(寝た直後はノンレム睡眠です)。

朝は、浅い眠りのレム睡眠の時に目覚めるとスッキリとした気分になれます。自分の睡眠のリズムを調べ、レム睡眠の時に起きる習慣をつけておきましょう。

学習の転移

脳の潜在能力はすごいものです。
ある分野を勉強した時、その分野についての理解が深まるのは言うまでもなく、その分野の勉強法、つまりその分野の理解の仕方も覚えているのです。

この勉強法、理解の仕方は、他の分野の勉強をする時にも生かされます。無意識のうちに脳がその勉強法を応用しているのです。
ですので、勉強をし慣れている人の方が、異なる分野を勉強した時の吸収も速くなるのです。

受験勉強で学ぶことのすべてが直接将来役に立つわけではありません。例えば、普通に日常生活を送るだけなら微分や積分を知らなくても十分ですからね。

しかし、受験勉強をする上で知らず知らずのうちに脳が身に付けた「理解の仕方」は、将来必ず役に立ちます。受験勉強は決して無駄な行為ではないので、やる気を維持してがんばってください。

心理学的に、最も気持ちを落ち着かせ、集中力を高めてくれる色は緑色です。

なので、部屋全体の基調色は緑にしておくと効果的です。
観葉植物などを置いておくのもいいでしょう。今私はPCでこの記事を書いていますが、PCの横にも観葉植物が置かれています。

ちなみに、私の部屋はカーテンやベッドカバー、ごみ箱なども緑系の色で統一しています。ここまでしなくてもいいですが、少しは緑のものが目に入るような環境が望ましいと思います。


次に照明の色についてです。
照明には黄(オレンジ?)っぽい色と青っぽい色があります。

飲食店などの照明は前者です。つまりこの光は、まったりムードの光で、飲食店などには最適なのですが集中力は下がり眠くなりやすくなります。

逆に後者は集中力があがる光です。目が冴えてまったりはできませんが、勉強をするときはこちらの青っぽい光の方が適しています。
学校や塾、予備校などの照明はほとんど青っぽい方の照明を使っているはずです。

BGM

BGMを流しながら勉強するのはいいのか悪いのか、これは一概に決めることはできません。

まず言えるのは、BGMとして流す曲には歌詞がついていない方がいいということです。歌詞は言葉ですから、勉強中にその言葉を聞いてしまうと、無意識のうちにそちらにも脳のメモリを使ってしまいますので、勉強の効率が下がります。

同様に、感情移入しすぎている曲を流すのもよくありません。その曲のことを考えるのに脳のメモリを使ってしまうからです。

また、うるさい曲・激しい曲だと集中力が途切れてしまうので、そういう曲も避けるべきです。

そのような条件をクリアした曲を、音量は小さめにしてBGMとして流せば効果的です。静かすぎる空間では逆に集中力が下がりますし、BGMには疲労感を和らげる効果もあるからです。

ただ、さらにBGMを使用するにあたり注意点がもうひとつ。単純な部類の勉強をする時にはBGMは効果的ですが、難問を解く時などには逆効果となります。

BGMは使う曲やタイミングに注意して使いこなしていかなくてはなりません。

モーツァルト効果

モーツァルト効果というものを聞いたことがありますか?

これは、モーツァルトの曲を聴くと一時的に頭がよくなるという科学的に立証された効果です。1時間ももちませんが、なんとIQが8〜9も上がるそうです。

ただこれは、クラシックであれば何でもいいというものでもなく、モーツァルトの曲でなくてはなりません(バッハの曲にも多少の効果はあるそうです)。モーツァルトの曲の持つ独特のメロディーやリズムが右脳と左脳をバランスよく刺激してくれるようです。

休憩時間に聴いたり、BGMとして流すといいでしょう。

ブドウ糖

脳が働くのに必要な栄養素はずばり、ブドウ糖(グルコース)のみです。つまり糖分や炭水化物です。

ブドウ糖が不足すると、脳は全力で働けなくなりますので、こまめに補給しなくてはなりません。砂糖などをはじめ、米やパンやイモなどの主食も炭水化物がメインですので勉強前には必須です。勉強の合間の休憩時間にもおやつなどで糖分を補給するようにしてください。

ちなみにダイエット中などで糖を摂りたくないという方がいらっしゃるかもしれませんが、太る原因というのは主に脂肪の摂取によるものです。カロリーはあまり関係ありません。それに糖を摂っても、その分勉強をして頭を使っていれば太りません!

初めと終わり

長時間勉強する時、初めの方と終わりの方は特に集中力がアップし、効率が上がります。これを初頭効果と終末効果といいます。

長時間勉強する時はこれを利用し、初めと終わりに重要な部分を持ってくるといいでしょう。

ただ、そもそも勉強を集中力が途切れるほど長時間連続して行うのはあまり効率的ではありません。2、30分を一区切りにすれば、初頭効果が過ぎた後すぐに終末効果が来るのでお得です。そこで一息休憩し、また始めます。

このように普段の勉強では細かく区切るのが得策ですが、試験や模試などの時はそういうわけにもいきません。しかし、例えば60分の試験なら、自分の中で時間を30分ずつに分けて配分しておけば、多少は初頭・終末効果が利用できます。
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